子宮がん | 末期がんの緩和ケア ご家族のための「在宅緩和ケア」「食事」「自宅での医療」の知識【神奈川県川崎市幸区の在宅緩和ケアクリニック】

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子宮がん

1.子宮がんの特徴

20代、30代の女性のがんによる死亡原因の第1位

婦人科のがんでもっとも多いのが子宮がんです。できる場所によって2つに分けられ、膣につながる部分(子宮頸部)にできるのが「子宮頸がん」、そして、受精卵の着床から出産までずっと赤ちゃんを育む場所(子宮体部)にできるのが「子宮体がん」です。この2つのがんは、それぞれ原因も発祥メカニズムもまったく異なります。

「子宮頸がん」は、20代、30代の女性のがんによる死亡原因の第1位です。発症ピークは30代後半です。正常な細胞が浸潤がんになるのに5年から10年以上かかるといわれ、がんの増殖はとてもゆっくりなので、定期的に婦人科検診を受けていれば、がんになる前の段階で見つけることが可能です。

一方の「子宮体がん」は、別名・子宮内膜がんといわれるように、内膜に多く発生します。女性では4番目に多いがんで、50人に1人の割合で起こります。通常は生理によって内膜ははがれるので、閉経前にがんになるのは稀で、年齢別にみた罹患率は、40歳代後半から増加します。ピークは、50歳代から60歳代です。

以前は子宮がんといえば、ほとんどが子宮頸がんでしたが、この40年ほどで子宮体がんが約4倍にも急増し、最近では子宮がん全体の30パーセント前後を占めるまでに増えています。

子宮頸がんワクチンの接種には注意が必要

子宮がんは早期発見をすればほぼ完治できる病気です。早期発見のためには子宮がん検診を受けることが大切です。

また、子宮頸がんの検診は、自治体によっては無料で受けられす。これは補足になりますが、以前は推奨されていた「子宮頸がんの予防接種」(推奨年齢は小学6年生~高校1年生)ですが、副作用の報告が多数あり、重篤なケースではワクチン接種後、1年以上たってから意識消失、月経異常、歩行困難、下痢、記憶障害など複数の症状が並行して起こりました。

2013年6月14日、厚生労働省が子宮頸がんワクチンの接種呼びかけ中止を発表しました。その後、2014年1月に厚労省の専門家会議は、「接種によるワクチンの薬液が、神経の異常や中毒、免疫反応を引き起こしていると説明するのは難しい」との見解を出しました。

もし、「もう閉経しているのに腟から出血がある」という人は、3人に1人が子宮体がんが原因です。閉経後に出血があった場合は、すぐに診察を受けるようにしましょう。

2. 子宮がんの発生原因

子宮がんになってしまった原因

子宮がんになると、「なにが原因でがんになったのだろう?」と多くの方が自分の人生を深く見つめ直すきっかけになります。

しかし、なぜ子宮がんになったのかは、実はだれにも分かりません。危険な因子がなくてもがんになりますし、どんなに危険な因子が多くあっても、がんにならない人もたくさんいるのも事実です。

危険因子をとりのぞいて再発リスクを減らす体内環境をつくる

ここで大切なのは、危険因子がもしあれば、生活からそれをとりのぞくことです。「生活を変える」「意識を変える」「自分を変える」。自分が変われば子宮がんが再発しにくい、あるいは転移しにくい体内環境をつくることにつながります。

子どもを産む数が減っていますので、生涯で経験する月経の回数は、昔の女性に比べ、約10倍多いといわれています。この月経回数の増加が、「子宮体がん」増加の原因になっているとも考えられています。「子宮体がん」になるリスクが高まるのは、女性ホルモンであるエストロゲンがたくさん体内に存在する場合です。以下の方があてはまりです。

<子宮体がん>

1.  未婚・未産

月経数が多いほど、女性ホルモンに多くさらされます。しかしその一方で、不規則な月経、無月経や排卵異常も危険因子です。

2.  閉経

3.  欧米型の高脂肪・高カロリーの食生活とアルコール

脂肪細胞内で、エストロゲン生成酵素が分泌されています。また、アルコール摂取がエストロゲンを増量させると言われています。

4. ホルモン補充療法

エストロゲンを補充しているので当然ですね。

5. 経口避妊薬

ピルのなかには女性ホルモンが含まれており、関連はありそうです。でも、最近の低用量ピルでは因果関係は少ないようです。

6. 肥満

肥満の人は閉経後、卵巣からは分泌されないエストロゲンが脂肪細胞から分泌されるので、子宮体がんの発症リスクが高くなります。

7. その他

高血圧・糖尿病も危険因子です。また、ストレスは免疫力を低下させることがわかっています。ストレスを溜め込まず、だれかに「話す」(=放す)ことで、執着から解放されて自分から手放すことができます。わたしはいつでもあなたのお話を聞く準備はできています。

<子宮頸がん>

妊娠・出産回数が多い人ほどなりやすいといわれ、喫煙はリスクを高めます。最新の研究結果により、子宮頸がんの原因のほぼ100パーセントは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染によるものだということが明らかになってきました。感染後に何年で発症するかや潜伏期間などはまだ不明ですが、発症には性行為の開始年齢が大きく関わっていると考えられています。

3.症状と検査の方法

初期症状はほとんどなく、少し進行すると・・・

・月経以外の出血(不正出血)
・性交時に痛みや出血がある
・おりものの増加
・おりものに糸を引いたような出血がある
・前回の生理から次回の生理の間に出血がある
・婦人科での内診の後出血する
・生理が以前より長く、重くなった
・更年期を過ぎてから出血がある
・骨盤の痛みがある

検査方法

ステップ1 問診

 問診では、次のような質問があります。受診前にまとめておくとよいでしょう。

・いつから症状が現れたか、悪くなっているか、良くなっているか?
・早い時期に初潮を迎えたか?
・52歳以降に閉経を迎えたか?
・月経異常(出血過多、月経期以外の出血、長期にわたる無月経など)はないか?
・血縁関係に乳がん、卵巣がん、大腸がん(結腸がん)、子宮内膜がんになった人がいるか?
・骨盤部の放射線療法を受けたことがあるか?
・他の病院を受診したか、治療を受けてきたか、先生の診断は?
・今までに入院するような病気になったか、手術を受けたことがあるか、内服している薬はあるか?

<一般的な検診>

ステップ2 視診・内診

直接子宮頸部を見て確認する視診では、おりものや粘膜、皮膚の状態を目で見て確認します。内診では、膣や子宮頸部に医師が直接触れて検査をする内診を行います。膣内に炎症やびらんがあったり、しこりや腫瘍ができていたりすると痛みを感じることがあります。

ステップ3 細胞診

自治体の集団検診のような一般的に行われている子宮がん検診で受診するのは、「子宮頸部細胞診」です。無料から2000円程度で、個人的に検査する場合は、自己負担で5000円から8000円です。子宮頸部の細胞を採取して、細胞に異常ないかを観察・診断するもので、数分程度で終了する簡単なものです。検査結果が出るまで1週間ほどかかります。

「子宮体がん検診で行われる細胞診」では、子宮内に細い専用の器具を挿入して、子宮内膜の細胞を採取します。この検査には痛みと出血を伴いますが、個人差があります。ご心配な方は事前に医師とよく相談しましょう。

<再検査が必要な場合>

ステップ4 子宮頸がんのコルポ診

子宮頸部に発生するがんを早期に発見するために行います。コルポスコープ(腟拡大鏡)は、子宮頸部や膣壁を6~40倍に拡大して観察し、肉眼で視認できない粘膜や血管の変化を発見することができます。ここまでは痛みも出血もありません。

もし、ここで病変部が見つかった場合、確定診断のために「組織診」を行います。金属製の専用器具で組織を採取し、顕微鏡で観察を行います。 その場合は、痛みと出血が伴います。

「組織診」では、細胞内の核の様子や細胞質の状態、がんの進行度(病期)といった詳細な部分まで検査できるものです。がんの発生の有無を確定させる重要な検査です。

ステップ5 ステージの確定と治療方針の決定

がんの広がりをみるために、内診・直腸診・超音波検査・CT検査・MRI検査を行います。また、膀胱鏡検査・直腸鏡検査・尿路検査を行う場合もあります。

子宮がんの病期は、1期、2期、3期、4期に分類されています。主な治療法として、手術(外科治療)、抗がん剤治療(化学療法)、放射線治療の3つあり、これらを組み合わせ、どのように治療するのかは、患者さんの状態や、がんの進行度などによって決められます。

医師は患者さんとよく話しあいながら、今後どの治療法がもっとも適切かを提案し決定していく、というのが一般的な流れです。

検査における患者さんへのアドバイス

疑問・不安を解消することで、患者と医師の“信頼関係”は築かれる

たくさん行われる検査に、不安を感じられる方も多いことでしょう。もし、不安があれば、遠慮せず、担当医師に次のように医師に質問してみましょう。

「いま、なにを調べるための検査なのですか?」
「その検査は、本当にやる必要はあるのですか?」
「自分はいまどのステージですか?」
「今後、どのような治療をしていくのがベストですか?」
「QOL(生活の質)をなるべく落とさない治療法はどれですか?」

ご自分から、積極的に質問していきましょう。このような会話を交わすことで、おたがいに“信頼関係”を築くことができます。「安心して治療に向きあえる」という土台づくりこそが子宮がんに負けないファーストステップです。 

4.子宮がんでおこなう主な治療法について

子宮がんの治療には、手術(外科治療)、化学療法(抗がん剤治療とホルモン療法)、放射線治療の3つです。これらを組み合わせ、どのように治療するのかは、患者さんの状態や、がんの進行度などによって決められます。

「子宮頸がん」の場合、日本では、2期までは手術。そして、3期、4期は放射線治療というのが一般的な治療法です。ところが欧米はやや異なり、2期までは放射線治療を行うのが一般的で、遠隔転移のない4期までが根治を目的とした放射線治療を行います。

一方の「子宮体がん」の場合は、0期では単純子宮摘出手術が一般的です。もし、妊娠を希望されるのであれば、子宮摘出ではない方法(ホルモン療法など)で治療することもあります。1期から3期は単純子宮全摘術・卵巣摘出・広汎子宮全摘術などが進行度に応じて行われ、4期でも手術が可能ならば外科治療を行います。緩和療法として、放射線治療や化学療法などを併用する場合もあります。

いずれにせよ、医師は患者さんとよく話しあいながら、今後どの治療法がもっとも適切かを提案し決定していく、というのが一般的な流れです。

①手術(外科治療)

・子宮頸部レーザー蒸散術 ごく初期の子宮頸がんの治療で選択されるレーザー療法で、妊娠・出産への影響はほとんどない手術です。日帰り手術も可能です。

・子宮頸部円錐切除術:子宮を温存し、将来の妊娠・出産の可能性を残すことのできる手術。手術の翌日には退院できます。

・単純子宮全摘出術:閉経後の方や妊娠を希望しない方むけに行われる手術。子宮のみを摘出し、お腹を切って行う腹式単純子宮全摘術、膣からの腟式子宮全摘術、腹腔鏡を使って膣から摘出する腹腔鏡下腟式子宮全摘術の3つあります。入院は10日前後。

・広汎子宮全摘出術:子宮だけではなく、子宮の周囲の組織まで広く切除します。卵巣については、年齢、がんの進行度によっては温存できる場合もあります。入院は3〜4週間。

⚫️デメリット

子宮を全摘する手術では,リンパ浮腫や排尿障害などの後遺症があらわれる場合があります。施設によっては、準広汎子宮全摘出術を60歳以上の高齢の方には行っていないところもあります。

②放射線治療

身体の外から骨盤にあてる「外照射」と、子宮頸部の中から行う「腔内照射」があり、この2つを組み合わせて治療します。通常の入院期間は7〜8週間です

⚫️副作用

・ 放射線の当たった皮膚の範囲が赤くなることがありますが、多くは一過性で治療終了後1〜2か月でほとんど元の状態に戻ります。

・ 全身の倦怠感(日常生活はほとんど変わりなくすごすことができます)

③薬物療法

「抗がん剤は毒だ。医者の金儲けのために患者は利用されている」といった話がまことしやかに語られています。抗がん剤を使用中は、一時的に免疫力は落ちますが、治療後は体力は徐々に回復するので、けっしておそれるものではありません。

治療の目的は、術前化学療法、術後化学療法、遠隔転移に転移があるとき、または転移がなくても再発する可能性が高いとき、再発してしまったときの治療法としておこないます。また、手術ができるがんに対して薬物療法を行い、できるだけ小さくしてから手術にのぞむ場合もあります。

もっとも効果が期待できる注射剤として、多くの施設で「シスプラチン」という薬が用いられています。放射線だけで行うより、「シスプラチン」を併用することで治療成績が改善するという報告があります。

1.化学療法:化学物質によってがんの増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療。
2.分子標的治療:分子レベルでがん細胞だけを標的にした薬を用いて行う治療。
3.ホルモン療法:エストロゲンとプロゲステロンのバランスを正常値に近づける治療。

⚫️メリット

・転移があっても、がん細胞の増殖を抑えて攻撃できる。
・入院せず外来での治療もできる。
 

⚫️副作用

薬物療法は、正常な細胞も攻撃することになるので、薬物有害反応(いわゆる副作用)が生じることがあります。

血液細胞が減ったり、口の中や胃腸の粘膜の再生が起こりにくくなったり、髪の毛や爪が伸びなくなったり、風邪をひきやすくなったり、貧血、吐き気、口内炎、脱毛など。女性ならば、将来的に妊娠・出産を希望するときは、まえもって担当医に相談しておくことが大切です。

しかし、近年では副作用に対する治療(支持療法ともいわれています)が、かなり進歩してきています。担当医に「副作用の症状を軽減させるための治療はありますか?」と相談してみましょう。 

5.子宮がんについてのデータ

手術後ケア(定期検診の頻度)

1年から2年目まで 1か月〜3か月ごと
3年目から 3か月〜半年ごと
4年目から5年目 半年ごと
6年目以降 1年ごと

■日本人の子宮がんにかかる人 年間約2万1500人(子宮頸がんが約9800人、子宮体がんが約1万800人、どの部位か情報がない子宮がんが約900人)

■子宮がんで死亡する女性 年間約6100人(2011年データ)

・再発しやすい場所
<子宮頸がん>
子宮に近い膀胱や直腸、骨盤内のリンパ節。遠隔転移しやすい臓器は、肺や肝臓、大動脈リンパ節です。

<子宮体がん>
治療で全摘手術が選択されるケースが多いので、再発は少ないのですが、骨盤外への転移がみられます。

■5年生存率(子宮頸がん)
1期 91・7%
2期 76・7%
3期 56・3%
4期 25・1%

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